大養協

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2020年大養協シンポジウムのご報告

2020年度大養協シンポジウムが2021年3月20日(土)にオンラインによって開催されました。テーマは「社会の変化に対応した持続可能な日本語教員養成課程に求められるもの」です。今回のシンポジウムはコロナ禍で延期を余儀なくされていたものですが、オンライン開催になったことで、180人もの方のご参加があり、この話題への関心の高さがうかがわれました。

2019年6月に施行された日本語教育推進法を含め,現在,日本語教育界は大きな転換期を迎えており,大学においても,社会の変化に対応した日本語教育人材の育成が求められています。大学の日本語教員養成課程はこれまで,社会の変化への対応に悩みつつも,日本語教育を支える多くの人材を育成し,社会に送り出してきました。コロナ禍で日々の業務や感染拡大防止への対応に追われる日々ですが,今回のシンポジウムでは、大学の日本語教員養成課程や大学院の日本語教育研究者育成のあり方について改めて振り返るとともに,課題を共有し,共に考える場を設けることに致しました。今後も,社会の変化に対応した日本語教育人材を輩出し,持続可能な養成課程にしていくための課題について,大学や大学院における担当者からの問題提起,そして参加者の方々と協議する場となりました。

まず、大養協前代表理事でもある山本忠行氏(創価大学)から、「日本語教師の資格化の議論の概要と大学における日本語教員養成の観点からの問題点の整理」という内容で、これまでの日本語教師の資格化について、どのような動きがあり、現在どこまで進み、何が課題となっているのかについて、解説がありました。

次に、「大学・大学院における日本語教員養成・日本語教育研究者育成の現状と課題」というテーマで、まず松岡洋子氏(岩手大学)から「“50の必須項目”に対応する地方国立大学弱小副専攻課程の課題」についてのお話を伺いました。日本語教員養成のためのプログラムを持つ大学は決して少なくありませんが、大学の特徴や規模などにはそれぞれかなり差があり、日本語教員養成に求められている”50の必須項目”への対応についても抱える課題が異なってきます。特に地方の大学はどのような課題があり、どのように対応しているのかについてお話がありました。シンポジウムの参加者の中にも同じ問題意識を持つ方は多く、参考になるご講演でした。

さらに最近では、日本語教員養成を目的の一つに掲げる大学院が出てきています。桜美林大学の茶谷恭代氏と齋藤伸子氏から、「大学院における日本語教員養成課程の位置づけと課題 ―カリキュラム改編の中で-」というテーマで、桜美林大学の大学院におけるカリキュラム改編の中で、どのように日本語教員養成を位置付けるか、本来専門性を深めることが特徴の大学院において、学生の多様化によって「養成」を行う必要と現職の日本語教員への「研修」を求められる場合と、両方に対応していかなければならないという課題が示されました。

ご登壇くださった方々、ご参加くださった皆さまに心よりお礼申し上げます。

 

当日参加者、大養協会員限定でシンポジウムの資料を公開いたします。
以下の資料をダウンロードいただき、メールでお知らせするパスワードをご入力の上、ご覧ください。

発表資料(山本氏)発表資料(松岡氏)発表資料(茶谷・齋藤氏) 

 

当日の写真:登壇者の山本氏、松岡氏、茶谷氏、斎藤氏、司会の永田氏(広島大学)

※いずれもオンライン画面上の写真です

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投稿日: 2021年3月21日 投稿者: カテゴリー: 大会情報

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