日本語教員養成課程でキャリア意識をどう育てるか
【当日の内容】
2025年12月13日(土)、早稲田大学早稲田キャンパス22号館において、「日本語教員養成課程でキャリア意識をどう育てるか」というテーマのもと、秋季大会シンポジウムを対面形式で開催いたしました。当日は60名の参加者が集まり、日本語教員養成課程におけるキャリア形成支援のあり方について、活発な議論が行われました。
本シンポジウムでは、登録日本語教員制度の開始を背景に、養成課程におけるキャリア教育の重要性や、学生の職業観形成を支援するための具体的な方策について、情報共有と意見交換を行うことを目的としました。
第Ⅰ部では、会員による研究発表が行われ、計6名の発表者から、日本語教師の「態度」を涵養するための教育、職場環境を測る尺度の開発、語彙コントロールの位置づけなど、多様な視点からの研究成果や実践報告が提示されました。これらの発表を通して、養成課程における教育内容とキャリア意識形成との関連について、多面的に考察する機会となりました。
第Ⅱ部の企画フォーラムでは、まず、澤邉裕子氏(東北大学)および山本弘子氏(カイ日本語スクール)による話題提供が行われました。
澤邉氏は、大学での16年にわたる日本語教員養成の経験を振り返り、学習者との交流活動、海外研修、ボランティア、卒業生とのネットワークづくりなど、履修生のキャリア意識を育む多様な実践例を紹介しました。同時に、学生たちにパーソナルビジョン(どのように生きていきたいか)を考えさせ、資格取得にとどまらない長期的な自己実現へとつなげていく支援の重要性を強調しました。
一方、山本氏は、日本語学校70校へのアンケート調査をもとに、参照枠導入や認定制度への対応、人手不足といった課題のもとで、日本語学校現場が大きな転換期にある現状を報告しました。あわせて、現場では実践力・専門性に加え、社会性や協働力を備えた人材が求められていることが示され、就職をゴールとせず、継続的な学び直しを支える仕組みや大学との連携強化の重要性が強調されました。
続くグループディスカッションでは、参加者が少人数に分かれ、それぞれの教育現場における課題や工夫、学生支援のあり方について意見交換を行いました。全体ディスカッションにおいては、参照枠を用いた指導と文法積み上げ式の指導の統合、卒業生とのネットワークを構築する方法、日本語学校と連携した実習・インターンの意義などについて、議論が交わされました。
本シンポジウムを通して、日本語教員養成課程におけるキャリア意識育成の重要性が改めて確認されるとともに、今後の教育実践や制度運用に向けた多くの示唆が得られました。
ご参加くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。
【当日の写真】(1・2枚目:研究発表、3〜5枚目:企画フォーラム)




