大養協

「大学日本語教員養成課程研究協議会」のホームページです

大養協2024年度春季大会シンポジウムのご報告


【当日の内容】

2024年5月12日(日)に、「日本語教員養成課程における日本語学の在り方をめぐって」というテーマで、春季大会シンポジウムをオンラインにて開催いたしました。当日、138名のご参加がありました。ご登壇くださいました野田尚史先生、石黒圭先生、栁田直美先生、そしてご参加くださった皆さまに、心よりお礼申し上げます。

今回の先生方のご発表から、大学における日本語教員養成において、すぐに生かせる様々な知識・情報・スキル(=ミクロな観点)を学ぶことができました。同時に、今後の課程運営やコースデザインにおける、様々な指針(=マクロな観点)をご提示いただくこともできました。

学問としての日本語教育学や実践としての日本語教育と、「社会」との繋がりに対するアプローチ・捉え方が、年々強くなってきています。日本語教師の国家資格化が、それを後押しすることにもなっています。これ自体は極めて望ましいことである一方、誤解を恐れず言えば、日本語教育の業界において、「日本語」そのもの、あるいは「日本語学」への意識が低下しているのではないかという懸念もあります。(事実、そうした指摘も散見されます。)日本語教員養成のプログラムを構築あるいは再構築する上で、教員養成の根幹をなす一領域でもある「日本語学」に今一度焦点を当てることは、不可欠だと思います。

今回ご登壇の先生方は、随分早い段階から、「日本語学」と「日本語教育」との適切かつ有機的な関わりの在り方について、多角的に検討し、提言されてきました。今回のシンポは、その原点に立ち返りつつ、最新の知見にも触れられる、極めて貴重な機会となりました。

3名の先生方に共通する観点は、学習者の、あるいは母語話者の日本語そのものに十分に触れ、そこから帰納的に日本語あるいは日本語教育の在りようを見出す意義に具体的に言及なさっていることでした。これを、日本語教員養成課程における日本語学の指導でも、私たち一人一人が(それぞれの得意分野を生かしつつ)十分に実践していかねばならないと再認識しました。またその前提として、「日本語学の体系性」を私たち一人一人が十分に知り(あるいは知り直し)、かつ、私たち自身も“リアルな日本語”に積極的に触れていかなければならないということも、再認識しました。

当日の先生方のご発表の配布資料を、参加者、大養協会員限定で公開いたします。以下の資料をダウンロードいただき、メールでお知らせするパスワードをご入力の上、ご覧ください。

話題提供 その1 野田尚史氏(日本大学)
 「日本語教員養成課程における日本語文法の在り方」ご講演資料
話題提供 その2 石黒圭氏(国立国語研究所)
 「書くことの指導―プロダクトの指導からプロセスの指導へ―」ご講演資料
話題提供 その3 栁田直美氏(早稲田大学)
「日本語教員養成において「教師のコミュニケーション力」をどのように捉え、育むか」ご講演資料


【当日の写真】


情報

投稿日: 2024年6月10日 投稿者: カテゴリー: 大会情報

ナビゲーション